雨の匂いが混じった、湿り気を帯びた午後のカフェ。窓の外を流れる灰色の景色とは対照的に、店内の空気は焙煎された豆の香りと、どこか重苦しい静寂に包まれていた。
彼がそこに座っていた。数年ぶりに見るその横顔は、記憶の中にあるものよりも少しだけ大人びていて、けれど眼差しに宿る熱の強さは、かつて私を狂わせたあの頃のままだった。
「久しぶりだね」
彼が口にした言葉は、あまりにも平坦で、日常の延長線上にあるもののように響いた。けれど、視線が重なった瞬間に走った電流のような衝撃に、私は呼吸を忘れた。それは、決して許されない再会であることを、お互いに理解している合図だった。
今の私には、守るべき日常がある。家庭があり、平穏な生活がある。けれど、目の前にいる彼は、そのすべてを無に帰してしまいそうなほど、抗いがたい毒のような色気を放っていた。
私たちは、とりとめのない会話を交わした。仕事のこと、近況のこと。けれど、テーブルの下では、私の膝が彼の脚に触れそうになるたびに、心臓が早鐘を打つ。彼がコーヒーを啜る仕草、指先でカップの縁をなぞる動き。そのすべてが、私の理性をじわじわと削り取っていく。
「……少し、外の空気を吸わないか」
彼の低く掠れた声が、私の耳元で囁かれた。その提案は、誘惑というよりも、逃れられない運命への招待状のようだった。
私たちは、店を出て、街の喧騒から少し離れた場所に停められた彼の車へと滑り込んだ。密閉された空間。外の世界とは遮断された、二人だけの小さな箱。車内の空気は、外の湿り気を含んだ冷たさとは裏腹に、私たちの体温によって急速に熱を帯びていった。
彼が私を見つめる。その瞳には、欲望が剥き出しになっていた。私は抗うことをやめ、彼の手を引いて、彼の膝の間に跪いた。
ジッパーが下りる音。それだけで、私の身体は震え、内側から熱い衝動が突き上げてくる。露わになった彼の熱を帯びたそれは、私の視界を支配した。
私は、彼の逞しい形を、指先でゆっくりとなぞった。熱く、硬い。かつて何度も、この熱に抱かれていた。私はその先端を、舌の先で丁寧に、そして挑発的に弄った。
「あ……っ」
彼の喉から漏れた短い吐息が、静かな車内に響く。
私は、彼のすべてを飲み込むように、口を開いた。一気に深く、喉の奥まで突き刺すようにして、彼を咥え込む。
じゅぽ、じゅぽ、と、湿った音が車内に充満する。私の口内は、彼の熱と、溢れ出した自身の唾液で、ぐちゃぐちゃにかき回されていた。
ちゅぱ、ちゅぱちゅぱ、と、音を立てて吸い上げる。舌を使い、裏筋から亀頭の周囲を、執拗に、そして丁寧に絡め取る。彼は私の髪を強く掴み、逃がさないように、あるいはもっと深く、と促すように、腰を押し付けてくる。
視界が、彼の動きと、私の口内の熱さで、白濁していく。
感覚が研ぎ澄まされていく。私の口の中で、彼の脈動がダイレクトに伝わってくる。ドクンドクンと、力強く、激しく、命の鼓動が私の舌に打ち付けられる。
じゅぽ、じゅぽ、じゅぽっ!
もっと、もっと深く。私は自分でも制御できないほど、貪欲に彼を求めていた。喉の奥が突き上げられる苦しさと、それ以上に抗えない快楽が、私の脳を麻痺させていく。
彼の呼吸が荒くなり、身体が強張る。絶頂が近いことを、彼の震えが教えてくれた。
「……出すぞ」
掠れた声。私は、彼のすべてを受け止めるために、さらに深く、喉を限界まで開いて、彼を迎え入れた。
どぴゅっ、どぴゅどぴゅっ!
熱い塊が、私の喉の奥に、激しく、何度も叩きつけられる。
ドクドクと、彼の生命の奔流が、私の口内を、喉を、激しく蹂躙していく。私は、その衝撃をすべて、一滴も逃さないように、喉の筋肉を絞り上げるようにして受け止めた。
びゅるる、と、最後の一滴までが放たれるまで、私は彼を離さなかった。
口の端から溢れそうになるのを、必死に抑え込み、喉を大きく動かして、すべてを飲み込む。
ごっくん、と、重い音がした。
彼の熱い、重厚で、塩気を含んだ精の味が、喉を通って胃へと落ちていく。それは、禁断の果実を味わったかのような、圧倒的な背徳感と充足感だった。
私は、口の周りに残ったわずかな痕跡さえも、舌で丁寧に舐めとり、彼から離れた。
彼が、荒い呼吸を整えながら、満足げに、けれどどこか虚無を孕んだ瞳で私を見つめている。
車内の空気は、静まり返っていた。けれど、私たちの間には、言葉にならない、濃密で、逃れられない絆のようなものが、重く沈殿していた。
私は、彼の熱を、その味を、自分の身体の芯まで刻み込んだ。
たとえ、この後、日常という名の偽りの平穏に戻ったとしても。
この、喉の奥に残る熱い感触と、彼と分かち合った、この濃密な背徳の味だけは、決して消えることはないだろう。
私たちは、再び、静かな、けれど嵐の前の静けさのような、密やかな密談へと戻っていく。それは、終わりのない、けれど決して満たされることのない、火遊びの続きだった。
彼がそこに座っていた。数年ぶりに見るその横顔は、記憶の中にあるものよりも少しだけ大人びていて、けれど眼差しに宿る熱の強さは、かつて私を狂わせたあの頃のままだった。
「久しぶりだね」
彼が口にした言葉は、あまりにも平坦で、日常の延長線上にあるもののように響いた。けれど、視線が重なった瞬間に走った電流のような衝撃に、私は呼吸を忘れた。それは、決して許されない再会であることを、お互いに理解している合図だった。
今の私には、守るべき日常がある。家庭があり、平穏な生活がある。けれど、目の前にいる彼は、そのすべてを無に帰してしまいそうなほど、抗いがたい毒のような色気を放っていた。
私たちは、とりとめのない会話を交わした。仕事のこと、近況のこと。けれど、テーブルの下では、私の膝が彼の脚に触れそうになるたびに、心臓が早鐘を打つ。彼がコーヒーを啜る仕草、指先でカップの縁をなぞる動き。そのすべてが、私の理性をじわじわと削り取っていく。
「……少し、外の空気を吸わないか」
彼の低く掠れた声が、私の耳元で囁かれた。その提案は、誘惑というよりも、逃れられない運命への招待状のようだった。
私たちは、店を出て、街の喧騒から少し離れた場所に停められた彼の車へと滑り込んだ。密閉された空間。外の世界とは遮断された、二人だけの小さな箱。車内の空気は、外の湿り気を含んだ冷たさとは裏腹に、私たちの体温によって急速に熱を帯びていった。
彼が私を見つめる。その瞳には、欲望が剥き出しになっていた。私は抗うことをやめ、彼の手を引いて、彼の膝の間に跪いた。
ジッパーが下りる音。それだけで、私の身体は震え、内側から熱い衝動が突き上げてくる。露わになった彼の熱を帯びたそれは、私の視界を支配した。
私は、彼の逞しい形を、指先でゆっくりとなぞった。熱く、硬い。かつて何度も、この熱に抱かれていた。私はその先端を、舌の先で丁寧に、そして挑発的に弄った。
「あ……っ」
彼の喉から漏れた短い吐息が、静かな車内に響く。
私は、彼のすべてを飲み込むように、口を開いた。一気に深く、喉の奥まで突き刺すようにして、彼を咥え込む。
じゅぽ、じゅぽ、と、湿った音が車内に充満する。私の口内は、彼の熱と、溢れ出した自身の唾液で、ぐちゃぐちゃにかき回されていた。
ちゅぱ、ちゅぱちゅぱ、と、音を立てて吸い上げる。舌を使い、裏筋から亀頭の周囲を、執拗に、そして丁寧に絡め取る。彼は私の髪を強く掴み、逃がさないように、あるいはもっと深く、と促すように、腰を押し付けてくる。
視界が、彼の動きと、私の口内の熱さで、白濁していく。
感覚が研ぎ澄まされていく。私の口の中で、彼の脈動がダイレクトに伝わってくる。ドクンドクンと、力強く、激しく、命の鼓動が私の舌に打ち付けられる。
じゅぽ、じゅぽ、じゅぽっ!
もっと、もっと深く。私は自分でも制御できないほど、貪欲に彼を求めていた。喉の奥が突き上げられる苦しさと、それ以上に抗えない快楽が、私の脳を麻痺させていく。
彼の呼吸が荒くなり、身体が強張る。絶頂が近いことを、彼の震えが教えてくれた。
「……出すぞ」
掠れた声。私は、彼のすべてを受け止めるために、さらに深く、喉を限界まで開いて、彼を迎え入れた。
どぴゅっ、どぴゅどぴゅっ!
熱い塊が、私の喉の奥に、激しく、何度も叩きつけられる。
ドクドクと、彼の生命の奔流が、私の口内を、喉を、激しく蹂躙していく。私は、その衝撃をすべて、一滴も逃さないように、喉の筋肉を絞り上げるようにして受け止めた。
びゅるる、と、最後の一滴までが放たれるまで、私は彼を離さなかった。
口の端から溢れそうになるのを、必死に抑え込み、喉を大きく動かして、すべてを飲み込む。
ごっくん、と、重い音がした。
彼の熱い、重厚で、塩気を含んだ精の味が、喉を通って胃へと落ちていく。それは、禁断の果実を味わったかのような、圧倒的な背徳感と充足感だった。
私は、口の周りに残ったわずかな痕跡さえも、舌で丁寧に舐めとり、彼から離れた。
彼が、荒い呼吸を整えながら、満足げに、けれどどこか虚無を孕んだ瞳で私を見つめている。
車内の空気は、静まり返っていた。けれど、私たちの間には、言葉にならない、濃密で、逃れられない絆のようなものが、重く沈殿していた。
私は、彼の熱を、その味を、自分の身体の芯まで刻み込んだ。
たとえ、この後、日常という名の偽りの平穏に戻ったとしても。
この、喉の奥に残る熱い感触と、彼と分かち合った、この濃密な背徳の味だけは、決して消えることはないだろう。
私たちは、再び、静かな、けれど嵐の前の静けさのような、密やかな密談へと戻っていく。それは、終わりのない、けれど決して満たされることのない、火遊びの続きだった。
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