触手

寄生する触手の侵入、体内へと深く侵食していく、逃げられない悦楽


暗く、湿った、感覚が遮断された空間の中で、僕はただ、自分の肉体が作り替えられていくような錯覚の中にいた。視覚は奪われ、聞こえるのは自分の荒い呼吸と、どこからともなく響いてくる、粘り気のある、ぬちゃりとした湿った音だけだ。

最初は、ただの冷たい感触だと思っていた。肌を這う、細く、しなやかな何かが、僕の全身をなぞっていく。しかし、その感触は次第に熱を帯び、まるで生き物のように脈動を始めた。それは、僕の意思を無視して、僕の肉体の隙間、最も柔らかい部分へと容赦なく侵入してくる。

触手。その言葉が脳裏をよぎった瞬間、生理的な嫌悪感が背筋を駆け抜けた。だが、その嫌悪感さえも、次に訪れた圧倒的な快楽によって、濁った泥のように塗りつぶされてしまう。

触手の一本が、僕の尿道へと、迷いなく、そして執拗に潜り込んできた。

「あ……っ、ぐ……!」

言葉にならない悲鳴が、喉の奥で震える。粘膜を無理やり押し広げ、内側へと、さらに深く、もっと奥の、自分でも意識したことのない領域へと、その異物が侵食してくる。内側から肉を、器官を、作り変えられていくような、得体の知れない支配感。僕の身体は、もう僕のものではない。この寄生する触手たちによって、完全に管理され、蹂躙されるための器へと変貌していくのだ。

侵食の痛みは、瞬く間に、脳を焼くような熱い悦楽へと転じさせた。内側から突き上げられるような、逃げ場のない刺激。それと同時に、別の触手が、僕の最も敏感な場所――僕の象徴であるそこを、包み込むように捉えた。

それは、まるで何十もの舌が同時に、執拗に、僕の肉を弄んでいるかのような、狂おしいほどのフェラチオだった。

じゅぽ、じゅるり、じゅぽじゅぽ……。

粘膜同士が擦れ合う、淫らな音が静寂の中に響き渡る。触手の先端は、まるで熟練した女性の口内のように、僕の亀頭を、裏筋を、そして根元までを、隙間なく、そして完璧な圧力で包み込んでいく。吸い上げられる感覚。肉の襞が、僕の熱を、僕の存在そのものを、根こそぎ奪い去ろうとしている。

ちゅぱ、ちゅぱちゅぱ、と、執拗に繰り返される吸着音。触手の表面にある微細な突起が、僕の粘膜を優しく、時に激しく刺激し、神経を一本ずつ、丁寧に、そして暴力的に掻き乱していく。

僕は抗おうとした。この、得体の知れないものに支配されることへの、本能的な恐怖に抗おうとした。しかし、触手が僕の体内を、そして僕の性器を、極限まで蹂躙し続けるたびに、抗う力は霧散し、ただただ、快楽の深淵へと沈み込んでいくしかなかった。

意識が遠のき、視界が白く明滅する。脳内は、ただ一点、この触手による侵食と、それによってもたらされる、狂ったような快感だけで満たされていた。

「あ、あぁ……っ! い、いく……っ、出る、出るッ!!」

限界だった。僕の身体は、触手の支配に完全に屈服し、激しく痙攣した。

どぴゅっ、どぴゅどぴゅ、どくどくっ……!

熱い塊が、触手の奥へと、激しく射出される。精液が、僕の肉体から、生命の源が、無理やり引き抜かれていくような感覚。それと同時に、触手はさらに激しく、より一層の圧力をかけて、僕の射精を促した。

どぴゅるる、びゅるる……。

最後の一滴まで、すべてを絞り出される。射精の衝撃に、僕は全身を弓なりに反らせ、ただただ、空虚な快楽に身を委ねる。

だが、触手の蹂躙は、そこで終わることはなかった。

射精が終わった直後、触手はさらに密着し、僕の亀頭の先を、まるで吸い殻を吸い尽くすかのように、執拗に、そして丁寧に吸い上げ始めた。一滴の精液も、床にこぼすことさえ許さない。

ごっくん、と、何かが喉を鳴らすような音が、僕の耳に届く。

触手は、僕の精液を、その内側へと、完全に飲み干していく。僕の身体から奪われたものが、彼らの糧となり、また僕を侵食するためのエネルギーへと変わっていく。その過程さえも、僕は、抗いようのない悦楽として感じてしまっていた。

すべてを吸い尽くされ、空っぽにされた感覚。内側まで徹底的に作り変えられ、支配され尽くした、底なしの虚脱感。

僕は、ただ、暗闇の中で、震え続けることしかできなかった。次にあの触手が、僕のどこを、どのように侵食してくるのか。その恐怖と、それを上回る、逃れられない悦楽への渇望が、僕の心に深く、深く、刻み込まれていた。
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