レストランの厨房は、いつも戦場のようだった。立ち上る白い湯気、激しく火を吹くコンロの音、そして何より、プロフェッショナルとしての彼の、研ぎ澄まされた神経。彼がシェフとして包丁を握っている時、その指先は驚くほど繊細で、食材の命を丁寧に扱っている。その姿を見ているだけで、私はいつの間にか、彼という一人の男に対して、抗いがたい性的な昂ぶりを感じてしまうのだ。
その夜も、ディナータイムのピークが過ぎた直後の、少しだけ落ち着きを取り戻した時間帯だった。厨房にはまだ、炒め物の香ばしい匂いと、熱を帯びた空気が充満している。彼は、新しいソースの味を確認するために、鍋の前に立っていた。額には薄っすらと汗が浮かび、その汗が厨房の照明を反射して、彼の逞しい腕の筋肉を艶やかに際立たせている。
ふと、彼と目が合った。いつもは冷静で、完璧主義な彼の瞳が、その瞬間だけは、獲物を狙う獣のような、昏い熱を帯びて私を射抜いた。言葉なんて必要なかった。彼は無言のまま、片手に持っていた布巾をテーブルに放り投げると、私を厨房の隅、大型の冷蔵庫と作業台の間の、狭く暗い隙間へと強引に引き寄せた。
「……ちょっと、休憩しよう」
その夜も、ディナータイムのピークが過ぎた直後の、少しだけ落ち着きを取り戻した時間帯だった。厨房にはまだ、炒め物の香ばしい匂いと、熱を帯びた空気が充満している。彼は、新しいソースの味を確認するために、鍋の前に立っていた。額には薄っすらと汗が浮かび、その汗が厨房の照明を反射して、彼の逞しい腕の筋肉を艶やかに際立たせている。
ふと、彼と目が合った。いつもは冷静で、完璧主義な彼の瞳が、その瞬間だけは、獲物を狙う獣のような、昏い熱を帯びて私を射抜いた。言葉なんて必要なかった。彼は無言のまま、片手に持っていた布巾をテーブルに放り投げると、私を厨房の隅、大型の冷蔵庫と作業台の間の、狭く暗い隙間へと強引に引き寄せた。
「……ちょっと、休憩しよう」
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