ペッティング

公園のベンチで服の上から弄られる周囲の目を盗むスリル


 午後の柔らかな陽光が、公園の広大な芝生を黄金色に染め上げている。遠くでは子供たちの無邪気な笑い声が響き、時折、散歩中の老夫婦がゆっくりとした足取りで通り過ぎていく。そんな、どこにでもある平和で、あまりにも日常的な風景の中に、僕たちはいた。
 公園の隅にある、少し背の高い木々に囲まれたベンチ。そこは、周囲の視線を完全に遮ることはできないが、かといって正面から丸見えというわけでもない、絶妙な死角だった。僕と彼女は、まるでただの恋人同士が休憩しているかのように、隣り合って座っている。しかし、僕の股間のあたりでは、平穏な景色とは裏腹に、あまりにも背徳的で、熱を帯びた事態が進行していた。

「ねえ、ここ、誰か来ないかな……」

 彼女が、いたずらっぽく、それでいて少しだけ怯えたような瞳で僕を見上げた。その声は、周囲の喧騒に紛れて消えてしまいそうなほど小さかった。彼女の細い指先が、僕のジーンズの裾から入り込み、太ももの内側をゆっくりとなぞる。その指の熱が、薄い布地越しに伝わってくるだけで、僕の心臓は跳ね上がった。

 彼女の手は、迷いなく僕の股間へと伸びていく。ジーンズの硬い質感越しに、彼女の掌の柔らかさと、確かな熱量がダイレクトに伝わってきた。服の上から、彼女の指が僕の隆起をゆっくりと、円を描くように弄り始める。
 周囲の目は、常に僕たちを脅かしている。数メートル先では、犬を連れた女性が歩いている。もし今、彼女の手がもう少し激しく動いて、僕が声を漏らしてしまったら。もし、この服の下で起きていることが、誰かの目に触れてしまったら。
 その恐怖が、皮肉なことに、僕の感覚を極限まで研ぎ澄ませていく。風が木の葉を揺らす音、遠くの車の走行音、そして、彼女の指が布地を擦る、かすかな、けれど僕には耳元で鳴っているかのように大きく聞こえる摩擦音。それらすべてが、僕の背徳感を煽るスパイスとなっていた。

 彼女の指の動きは、次第に執拗さを増していく。布地越しに伝わる、彼女の指の腹の感触。時折、爪の先がかすかに食い込むような感覚。それが、服という境界線を介しているからこそ、かえって生々しく、逃げ場のない快楽となって僕を襲う。
 僕は、必死に平静を装おうとした。背筋を伸ばし、前方を眺め、まるでただの景色を楽しんでいるかのように振る舞う。けれど、内側では、彼女の手によって引き出される熱量に、全身が震えそうになっていた。

「……っ、……」

 思わず漏れそうになった吐息を、僕は飲み込む。彼女は、僕が限界に近いことに気づいているのだろう。彼女の瞳には、僕を翻弄することを楽しんでいるような、妖艶な光が宿っていた。
 彼女は、僕の膝の上に置いていた大きめのトートバッグを、僕の股間の間に滑り込ませた。まるで、そこにある「秘密」を隠蔽するための盾のように。そして、彼女はベンチから少し身を屈め、バッグの影に隠れるようにして、僕のズボンのボタンに手をかけた。

 指先が震えている。それは、彼女が恐怖を感じているからか、それとも興奮しているからか。
 ジーンズのジッパーが、静かな公園の空気に溶け込むように、かすかな音を立てて開かれる。解放された熱気が、一気に僕の肌を撫でた。彼女の指が、下着の境界を越え、直接、僕の熱りへと触れた瞬間、脳裏が真っ白になるほどの衝撃が走った。

 もはや、ペッティングという段階では収まりきらない。彼女は、僕の熱を確かめるように、指先で何度も、何度も、僕の先端をなぞり、絡め取る。
 そして、彼女は僕の顔を一度見上げると、周囲に誰もいないことを確認するように、視線を左右に走らせた。その瞳の動きさえも、僕には極上のエロティシズムとして映る。彼女は、僕のズボンと下着を膝のあたりまで引き下げると、バッグの陰で、その唇を僕に向けた。

 温かい、湿った感覚が、僕の先端を包み込んだ。
 フェラチオ。
 公共の場という、最も不謹慎なシチュエーションでの、その行為。
 じゅぽ、じゅぽ、と、バッグの影から、密やかな、けれど確実に粘り気のある音が聞こえてくる。彼女の口内は、驚くほど熱く、そして柔らかかった。
 ちゅぱちゅぱ、と、彼女の舌が僕の裏筋を、そして亀頭の溝を、執拗に、丁寧に、這い回る。視覚的なスリルが、僕の理性を粉々に砕いていく。目の前には、相変わらずののどかな公園の風景が広がっている。ベンチの向こうでは、子供たちが追いかけっこをしている。その日常のすぐ隣で、僕は、一人の女性の口の中に、自分のすべてを捧げようとしているのだ。

 彼女の吸い上げる力は、次第に強くなっていく。じゅぽじゅぽ、という音が、僕の頭の中に直接響き渡る。彼女の喉の奥が、僕を受け入れるために大きく開かれ、そこへ深く、深く、僕の存在を沈み込ませていく。
 逃げ場のない快楽。周囲の目を気にすればするほど、僕の感覚は一点へと収束していく。彼女の舌の動き、口内の温度、そして、時折感じる彼女の歯の感触さえもが、極限の快楽へと昇華されていく。

 僕は、彼女の頭に手を置き、無意識にその髪を掴んでいた。彼女は、僕の反応を楽しむように、さらに激しく、さらに深く、僕を口内に迎え入れる。
 もう、限界だった。
 視界が火花を散らし、全身の筋肉が硬直する。
 ドクドクと、脈打つ感覚が、僕の制御を奪っていく。

「あ、……っ、……!」

 僕は、声が出そうになるのを必死に抑え、唇を噛んだ。
 その瞬間、僕は自分の中で何かが決壊するのを感じた。
 どぴゅ、どぴゅ、と、熱い塊が、彼女の喉の奥へと、勢いよく、何度も放たれる。
 口内発射。
 彼女は、僕が射精するのを逃すまいとするかのように、さらに強く、僕の根元を口で締め付け、喉を鳴らしながら、僕の精液をすべて、一滴残らず受け止めていく。
 びゅるる、と、最後の一滴が放たれるまで、彼女の口内は、僕の熱を、僕のすべてを、貪欲に吸い上げ続けていた。

 射精の余韻に浸りながら、僕は荒い呼吸を整えようとした。
 彼女は、ゆっくりと口を離すと、口元に一滴もこぼさないように、丁寧に、僕の精液を…

… 続きがあります

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