吹き抜ける風は、容赦なく冷たく、僕の肌を刺す。高層ビルの屋上、コンクリートの端に立つと、足元には底の見えない闇と、宝石をぶちまけたような都会の夜景が広がっている。地上数百メートル。そこは、日常の倫理や秩序が、この冷たい風に吹き飛ばされて消えてしまうような、境界線の外側だ。
眼下に広がる光の海は、まるで巨大な生物の血管のように、絶え間なく蠢いている。車のヘッドライトが、光の尾を引いて流れていく。そのあまりの高さと、いつ足を踏み外すかわからないという本能的な恐怖が、僕の脊髄を震わせ、同時に、逃げ場のないような強烈な興奮を呼び起こしていた。
そして、僕のすぐ傍らには、彼女がいる。
夜の闇に溶け込みそうな黒いドレスを纏った彼女のシルエットが、街灯の微かな光を受けて、妖艶に浮かび上がっている。僕たちは、誰に見られることも、誰に咎められることもない。だが、この「見られ得ること」への恐怖こそが、今夜の僕たちを最も昂ぶらせるスパイスだった。
彼女の手が、僕のズボンの隙間から入り込み、熱を帯びた指先が僕の核心を捉えた。冷たい夜風に晒されていたはずのそこが、彼女の体温に触れた瞬間に、まるで火を灯されたかのように熱く、硬く膨れ上がる。
「……ねえ、ここでしてほしいの?」
彼女の声は、風にかき消されそうなほど微かだったが、僕の耳には、どんな轟音よりも鮮明に響いた。僕は答える代わりに、ただ彼女の瞳を見つめた。暗闇の中で、彼女の瞳は獲物を狙う獣のように、あるいは全てを飲み込む深淵のように、静かに、そして熱く光っていた。
僕は彼女に促されるまま、ビルの手すりに背を預け、腰を下ろした。夜風が、剥き出しになった肌を容赦なく撫でていく。その寒さと、彼女が僕の前に膝をついた時の、圧倒的な熱量の対比。その落差に、脳が痺れるような感覚を覚える。
彼女の唇が、僕の先端に触れた。
ああ、熱い。
唇の柔らかさ、舌の湿り気。夜の冷気とは正反対の、生きている人間の、剥き出しの熱がそこにはあった。彼女はゆっくりと、慈しむように、それでいて貪欲に、僕をその口内へと迎え入れていく。
じゅぽ、じゅぽ、と。
静まり返った屋上に、湿った、淫らな音が響き渡る。風の音に混じって、僕の理性を削り取っていくような、執拗な吸い上げの音。彼女の舌が、亀頭の溝を丁寧に、執拗になぞり、チロチロと、ペロペロと、僕の神経の末端を一つずつ刺激していく。
視界が、夜景と彼女の髪の黒、そして僕の股間に集中していく。高所の恐怖が、血流を加速させ、感覚を極限まで鋭敏にさせていた。風が吹くたびに、僕の全身の毛穴が開き、彼女の口内の、あの濃厚な熱が、脳の芯まで直接突き刺さってくるような錯覚に陥る。
彼女の頬が、僕のそれを包み込むように深く、強く吸い上げる。ちゅぱちゅぱ、と、激しい音が風を切り裂いて響く。彼女の喉の奥が、僕を受け入れるたびに、ごくん、と動くのが視覚的にも伝わってくる。その喉の動きが、僕の快楽をさらに増幅させ、制御不能な衝動へと突き動かしていく。
もう、限界だった。
都会の光が、視界の中で激しく明滅する。僕は、この高さ、この風、この背徳感のすべてを、彼女の口の中に叩き込みたいという、原始的な衝動に支配されていた。
「……っ、出る、出る……!」
僕の言葉は、叫びに近い呻きとなって夜空へ消えた。
次の瞬間、僕の身体は激しく跳ねた。
どぴゅ、どぴゅどぴゅッ!
熱い塊が、彼女の喉の奥へと、勢いよく射出される。意識が真っ白になり、指先までが痙攣する。ドクドクと、身体の奥底から絞り出されるような、強烈な放出感。彼女は、その勢いに押されることも厭わず、むしろそれを受け止めるように、さらに深く、僕を口内に飲み込んでいた。
どくどく、と、僕の命の残滓が、彼女の口腔内で激しく踊る。
射精の余韻に浸る間もなく、彼女は僕のすべてを、一滴も残さぬように、その舌で丁寧に掬い取っていく。じゅるり、と、喉を鳴らす音が聞こえる。
彼女は、僕のモノを口から離すと、口端にわずかに残った白濁とした液体を、指で拭い、それをまた舌で舐めとった。そして、僕を見上げ、満足げに、どこか挑発的な微笑みを浮かべた。
「……ねえ、すごく、熱くて……少し、塩気が強いね」
彼女がそう言って、小さく笑いながら呟いた。彼女の言葉を通じて、僕の中に放出されたものの、その生々しい質感と、重厚な味が脳裏に蘇る。それは、決して洗練されたものではなく、もっと野性的で、生命の根源を感じさせる、濃厚な味だった。
彼女は、僕の精液を、一滴もこぼすことなく、すべてを飲み干した。ごっくん、という、小さくも確かな嚥下音が、僕の耳に心地よく響く。彼女の喉が、僕のすべてを飲み込み、消化していく。その光景は、この都会の夜景よりも、ずっと残酷で、ずっと美しいものに思えた。
風は依然として冷たく、夜景は変わらず輝いている。しかし、僕の心には、底知れない充足感と、拭い去ることのできない、暗い悦びが沈殿していた。
高層ビルの屋上。空に近いこの場所で、僕たちは、文明の光の下で、最も原始的な行為を完遂したのだ。夜風が、僕の火照った肌を冷やしていく。その冷たさが、かえって、今しがたまで感じていた、彼女の口内の、あの狂おしいほどの熱を、より鮮明に僕の記憶に刻み込んでいた。
眼下に広がる光の海は、まるで巨大な生物の血管のように、絶え間なく蠢いている。車のヘッドライトが、光の尾を引いて流れていく。そのあまりの高さと、いつ足を踏み外すかわからないという本能的な恐怖が、僕の脊髄を震わせ、同時に、逃げ場のないような強烈な興奮を呼び起こしていた。
そして、僕のすぐ傍らには、彼女がいる。
夜の闇に溶け込みそうな黒いドレスを纏った彼女のシルエットが、街灯の微かな光を受けて、妖艶に浮かび上がっている。僕たちは、誰に見られることも、誰に咎められることもない。だが、この「見られ得ること」への恐怖こそが、今夜の僕たちを最も昂ぶらせるスパイスだった。
彼女の手が、僕のズボンの隙間から入り込み、熱を帯びた指先が僕の核心を捉えた。冷たい夜風に晒されていたはずのそこが、彼女の体温に触れた瞬間に、まるで火を灯されたかのように熱く、硬く膨れ上がる。
「……ねえ、ここでしてほしいの?」
彼女の声は、風にかき消されそうなほど微かだったが、僕の耳には、どんな轟音よりも鮮明に響いた。僕は答える代わりに、ただ彼女の瞳を見つめた。暗闇の中で、彼女の瞳は獲物を狙う獣のように、あるいは全てを飲み込む深淵のように、静かに、そして熱く光っていた。
僕は彼女に促されるまま、ビルの手すりに背を預け、腰を下ろした。夜風が、剥き出しになった肌を容赦なく撫でていく。その寒さと、彼女が僕の前に膝をついた時の、圧倒的な熱量の対比。その落差に、脳が痺れるような感覚を覚える。
彼女の唇が、僕の先端に触れた。
ああ、熱い。
唇の柔らかさ、舌の湿り気。夜の冷気とは正反対の、生きている人間の、剥き出しの熱がそこにはあった。彼女はゆっくりと、慈しむように、それでいて貪欲に、僕をその口内へと迎え入れていく。
じゅぽ、じゅぽ、と。
静まり返った屋上に、湿った、淫らな音が響き渡る。風の音に混じって、僕の理性を削り取っていくような、執拗な吸い上げの音。彼女の舌が、亀頭の溝を丁寧に、執拗になぞり、チロチロと、ペロペロと、僕の神経の末端を一つずつ刺激していく。
視界が、夜景と彼女の髪の黒、そして僕の股間に集中していく。高所の恐怖が、血流を加速させ、感覚を極限まで鋭敏にさせていた。風が吹くたびに、僕の全身の毛穴が開き、彼女の口内の、あの濃厚な熱が、脳の芯まで直接突き刺さってくるような錯覚に陥る。
彼女の頬が、僕のそれを包み込むように深く、強く吸い上げる。ちゅぱちゅぱ、と、激しい音が風を切り裂いて響く。彼女の喉の奥が、僕を受け入れるたびに、ごくん、と動くのが視覚的にも伝わってくる。その喉の動きが、僕の快楽をさらに増幅させ、制御不能な衝動へと突き動かしていく。
もう、限界だった。
都会の光が、視界の中で激しく明滅する。僕は、この高さ、この風、この背徳感のすべてを、彼女の口の中に叩き込みたいという、原始的な衝動に支配されていた。
「……っ、出る、出る……!」
僕の言葉は、叫びに近い呻きとなって夜空へ消えた。
次の瞬間、僕の身体は激しく跳ねた。
どぴゅ、どぴゅどぴゅッ!
熱い塊が、彼女の喉の奥へと、勢いよく射出される。意識が真っ白になり、指先までが痙攣する。ドクドクと、身体の奥底から絞り出されるような、強烈な放出感。彼女は、その勢いに押されることも厭わず、むしろそれを受け止めるように、さらに深く、僕を口内に飲み込んでいた。
どくどく、と、僕の命の残滓が、彼女の口腔内で激しく踊る。
射精の余韻に浸る間もなく、彼女は僕のすべてを、一滴も残さぬように、その舌で丁寧に掬い取っていく。じゅるり、と、喉を鳴らす音が聞こえる。
彼女は、僕のモノを口から離すと、口端にわずかに残った白濁とした液体を、指で拭い、それをまた舌で舐めとった。そして、僕を見上げ、満足げに、どこか挑発的な微笑みを浮かべた。
「……ねえ、すごく、熱くて……少し、塩気が強いね」
彼女がそう言って、小さく笑いながら呟いた。彼女の言葉を通じて、僕の中に放出されたものの、その生々しい質感と、重厚な味が脳裏に蘇る。それは、決して洗練されたものではなく、もっと野性的で、生命の根源を感じさせる、濃厚な味だった。
彼女は、僕の精液を、一滴もこぼすことなく、すべてを飲み干した。ごっくん、という、小さくも確かな嚥下音が、僕の耳に心地よく響く。彼女の喉が、僕のすべてを飲み込み、消化していく。その光景は、この都会の夜景よりも、ずっと残酷で、ずっと美しいものに思えた。
風は依然として冷たく、夜景は変わらず輝いている。しかし、僕の心には、底知れない充足感と、拭い去ることのできない、暗い悦びが沈殿していた。
高層ビルの屋上。空に近いこの場所で、僕たちは、文明の光の下で、最も原始的な行為を完遂したのだ。夜風が、僕の火照った肌を冷やしていく。その冷たさが、かえって、今しがたまで感じていた、彼女の口内の、あの狂おしいほどの熱を、より鮮明に僕の記憶に刻み込んでいた。
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